美作市スポーツ医療看護専門学校

エムポックス(サル痘)感染経路・症状・感染対策について知ろう

2024年8月14日、WHO(世界保健機関)は「エムポックス(これまでのサル痘)」の感染がアフリカ以外にも広がるおそれがあるとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

ここではエムポックスとはどんな感染症なのか、感染経路や症状、感染対策についてまとめています。


  • エムポックスとは

以前は「サル痘」と呼ばれていました。コロナ禍の際にニュースなどで目にしたかもしれません。2023年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。

2022年5月以降、エムポックス患者が世界各地で報告され、その後、世界全体の症例の報告数は減少しましたが、2023年3月以降、東アジア、東南アジアなどからの報告が増加しており、国内では、2022年7月に1例目の患者が確認され、現在も散発的な患者の発生が報告されています。

おととしと比べて重症化しやすい新たなタイプのウイルスも広がっているとみられており、しっかりと認識しておくことが大切です。


  • エムポックスの症状

水ぶくれを伴う発疹に加え、発熱、寒気、倦怠感(だるさ)、リンパ節の腫れ、頭痛、筋肉痛などの全身の症状があらわれます。発疹は、最初は平坦ですが、内部に液体や膿がたまって膨れてくることがあります。多くの場合2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復しますが、稀に重症化することがあります。
潜伏期間(感染してから症状があらわれるまでの期間)は通常7~14日(短い場合5日、長い場合21日のこともある)とされています。

2022年5月以降の流行では、「発疹が発熱などの全身症状よりも先に見られる」「発疹が性器や肛門周辺に限ってあらわれる」「発疹以外の症状を伴わない」など、これまでに知られていた症状とは異なる報告も見られます。何らかの理由で(例えば感染経路の違いなどで)症状に違いがある可能性が指摘されています。


  • エムポックスの感染ルートについて

中央アフリカや西アフリカ地域では、げっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がエムポックスウイルスを保有していると考えられています。これらの地域で感染している動物と接触したり、かまれたり、野生動物の肉を調理したり、加熱が不十分な肉を食べたりすることで動物からヒトへ感染する可能性があります。

感染している方の発疹、カサブタ、体液や血液に触れること、性的な接触、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起こる可能性があります。


  • エムポックスの感染対策について

エムポックスは、感染している方の発疹、カサブタ、体液や血液に触れること、性的接触、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起こる可能性があります。エムポックスに感染している方や感染が疑われる方とは、上記の接触を避けるようにしてください。

また、石けんと水、またはアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行うよう心掛けてください。

自身が感染が疑われるような症状があった場合、マスクを着用し、咳エチケットを守るようにしましょう。

【参照・参考URL】

厚生労働省 エムポックスについて https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html

厚生労働省 エムポックスに関するQ&A https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/monkeypox_qa.html

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